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甘ったるいチョコレートを口に含む。ミルクよりもビターのほうが好きだけれど、生憎部屋のローテーブルの上に置かれたガラスの器の中には大量のミルクチョコレートと少量のホワイトチョコレートしかはいっていなくて、仕方なしに私は大人しくミルクチョコレートを手にとった。手持ち無沙汰になったあたしは机のうえに散乱した金色の包み紙をひとつ手にとって意味もなくきれいに折りたたんだ。口の中に纏わりついたチョコレートに嫌悪感を抱きながら、目の前にあるグラスの中身を喉に流し込む。カラリと乾いてしまった口内を潤すために、もう一口。結果なにもかわらなかったのだけれど。
「電気消したまま何してんだ」
突然ついた灯りに目を細め、背後を振り返った。見てわからない?と包み紙をちらつかせながら立ち上がる。ストライプのスーツをを受け取って、人差し指と親指に挟んだチョコレートを彼の口に放り込んだ。「あま」「チョコレートだもの」顔を顰めて溶けかけのそれを噛み砕く慎吾の唇にキスをして、いつだったか私があげた派手な色のネクタイを解いた。この行動も慣れたものだ。2年前までネクタイの結び方すら知らなかったというのに。
ハンガーにかけたスーツをカーテンのレールに引っ掛けて、ソファに全身を預け大きなため息をつく慎吾の隣に腰掛けた。「」「なに?」新たなチョコレートの包みをひろげ舌にのせる。今度はホワイトチョコレート。ココアバターの甘ったるい匂いと味が、ミルクチョコレートに満たされていた口内に上乗せされていく。ぐい、と肩を抱き寄せられ 慎吾の胸に頬を押し付ける。「女物の香水の匂いがするんだけど」「そんなわけねえ」こつん、と頭を小突かれた。カマをかけたつもりだったのだけれど、あっさりかわされてしまった。顔をあげれば、シレっと言いのける慎吾にムカついたので、彼の大嫌いな甘いチョコレートをのせた舌で少し上の方にある唇を舐めた。
「嫌な仕返しだな」
クスリ、と笑って慎吾の背中に腕をまわす。「なに?今日はやけに積極的な気がするんだケド」「チョコレートで酔ったみたい。」「あっそ」呆れたように苦笑した慎吾から降りてきた口付けを受け止めて、テーブルで、チョコレートの包み紙と一緒に散乱したたシンプルなトランプを視界にいれた。
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ロイヤルチョコレートフラッシュ
(ルールは知らないけれど)